あなたも一度は商品やサービスを売るときは、
「一緒にストーリーを売れ!」と、聞いたことがあるでしょう。
しかし、その「ストーリー」について深く理解している人はとても少ないです。
ここでは、一瞬で相手の心を鷲掴みにする「ストーリーブランディング」について解説しています。
ストーリーの威力を体験してみよう
最初にあれこれ説明するよりも、実際にストーリーの威力を感じてもらった方が話は早いので、まずは以下のストーリーをお読みください。
これは、とあるりんご農家の実際にあった話です。
1970年代。
その夫婦は2人きりでりんごを栽培していた。
妻と2人でなんとか生計を立てていた。
そんなある日。
妻の体に異変が生じ始めた。
妻は年に十数回もリンゴの樹に散布する農薬を体に浴び続けたことで、どんどん体は蝕まれていった…
男はそんな妻の姿を見かねて、完全無農薬のリンゴ栽培を決意した。
しかしそれは当時、絶対に不可能な栽培方法と言われていた。
りんごの樹は、害虫や病気の影響を受けやすく、農薬がなければすぐに枯れてしまう。
案の定、農薬をやめた1年後には、りんごの樹は全て病気にかかり、ただの1個もりんごを収穫することが出来なくなってしまった。
何度も失敗を重ね、借金ばかりが膨らんでいった。
次第に周囲の農家からも、
「あいつはおかしい」
「馬鹿だ」
「家族がかわいそうだ」
などと、冷たい視線を浴び、実際に妻や娘たちにも苦労をかけていた。
6年の歳月が経ってもりんごが実ることはなく、その男はついに自殺を決意した。
「今まで苦労をかけた妻や娘に、死んでお詫びしよう…」
そう思い立って、1人で山の中に入っていった。
すると、彼はそこで自生した1本のどんぐりの樹を見つけた。
樹木は枯れることなく、また害虫も発生していなかった。
自然の山の中に生えたその1本の樹は、しっかりと根を張り、とても頑丈だった。
そのどんぐりの樹を夢中になって観察した。
土の柔らかさ。
益虫がたくさんいたこと。
周りの雑草が生えっぱなしだったこと。
全てが畑のりんごの樹とは違っていた。
これにヒントを得た男は、早速畑に帰り、その森の自然の状態を再現していった。
土の状態、雑草、害虫と益虫のバランス…独学ですべて学び、実際に試していった。
そして、8年目のある日。
畑を見に行くと、ついにりんごの花が咲いていた。
挑戦を始めて8年。
初めて、完全無農薬のりんごが完成したのだった…
いかがでしたか?
ちなみに、この話は実話です。
今もこの男が作るりんごは、「奇跡のりんご」として全国の人が手に入れようと彼の元を訪れています。
今では、りんご1つ手に入れるのに、なんと4年待ちだそうですよ!
さて、何がこんなにも人を熱狂的にさせるのでしょうか?
この男のりんごが、なぜこんなにも熱狂的に愛されるのでしょうか?
なぜ4年も待ってまで、買おうと思うのでしょうか?
完全無農薬のりんごが、欲しいからでしょうか?
それとも、珍しいからでしょうか?
いいえ、違います。
全国の人々が、時間とお金をかけてまでこの男のりんごを買おうと思う理由。
それは、ストーリーがあるからなのです。
あなたの身の回りのもので、愛用しているモノを思い浮かべてみてください。
- スタバのコーヒー
- アップルのMacbookAir
- ナイキの靴
- ソニーのテレビ
- ホンダの車
etc..
実は、これらのブランドにはすべて「ストーリー」があります。
そのストーリー一つ一つが、人々を熱狂的に行動させるのです。
「USP」から「ストーリー」の時代へ
もし、あなたが、マーケティングやコピーライティングを学んだことがあるなら、モノやサービスを売る時は、USP(独自のウリ)が大切だと、何度も聞いたことがあるでしょう。
しかし、モノやサービスが溢れかえっている日本で、「独自のウリ」を見つけ出すことは、簡単なことではありません。
そこで大きな力を発揮するのが『ストーリー』です。
人は、生まれながらにして、ストーリーが大好きな生き物です。
小さい頃に絵本を読んだ経験から始まり、今では、小説やドラマ、映画など、いろんなストーリーから学んでいますよね。
ちなみに、あなたも、ついついドラマや映画を何時間も夢中で見てしまった経験とかありませんか?
勘のいい人なら、もうお気づきですね。
そうです。
人を夢中にさせるストーリーの力を、あなたのビジネスに取り入れるのです。
どんな人や、商品、サービスにだって、必ずストーリーがあります。
急に商品が「ぽんっ」と、でき上がるなんてことはあり得ませんからね。
とはいえなにも、冒頭に出てきたようなドラマチックなストーリーである必要はまったくありません。
例えば、
- その商品の開発秘話は?
- なぜそのサービスを提供しようと思ったのか?
- その商品を通じてどんな世の中にしたいのか?
あなた自身のストーリーを語ればいいのです。
そうすれば、お客さんとの間に共感が生まれ、感情的に行動を起こす起爆剤になります。
その結果、『熱狂的なファン』が生まれるのです。
あなただけのオリジナルストーリーを作るための5ステップ
しかし、ストーリーをただ語ればお客さんを感情的に行動させることができるというものでもありません。
ストーリーを語っても、まったくお客さんを惹きつけないこともあります。
実は、ストーリーを語って、お客さんを惹きつけるためには、ちょっとしたコツがあります。
そのポイントをご紹介します。
ぜひこのシンプルな5つのステップを順番に考えてみてください。
STEP1:バックストーリーを集める
現在→過去→未来→現在
この4つのセクションに分けて以下の質問を考えてください。
- その商品・サービスをどのような経緯で始めたのか。
- 始めた理由は何か。
- その商品やサービスがどのように変わってきたのか。
- 将来の目標は何か。
- 理念・志命はどういったものか。
- そして、今はどうなのか。
STEP2:商品やサービスの性格を決める
あなたの商品やサービスを、他にはない、唯一無二の存在に位置付けてください。
その商品は、
- お客さんのどんなニーズをどの程度満たすものか?
- そのサービスの目的は何か?
STEP3:理想のお客さんを考える
一番あなたの商品を買ってくれそうな見込み客を見つけてください。
- その見込み客は、今どんな問題を解決したいと望んでいるか?
- その見込み客の信念や価値観はどんなものか?
STEP4:商品と理想のお客さんを関係づける
あなたの商品コンセプトが表す価値観や信念と、見込み客の購入動機になる価値観や信念をシンクロさせてください。
STEP5:STEP1〜4を要約する
今までのステップに矛盾がないかを見直し、それらを短い文章で要約する。
以上、
この5つのステップをしっかり踏めば、お客さんを熱狂させる自分だけのオリジナルストーリーを語ることができるようになります。
まずはこだわり過ぎずに思いつくまま、どんどん紙に書き出してストーリーを作ってみてくださいね。
まとめ
あなた自身のオリジナルストーリーを語って、たくさんの熱狂的なファンを作ろう!
追伸
さらに詳しく「ストーリー」について学びたい人はこの本がオススメです。
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カテゴリ:ストーリーブランディング [コメント:1]
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