「コミットメントと一貫性の法則」という言葉。
おそらく、あなたも一度は聞いたことがあるでしょう。
コミットメントと一貫性の法則とは、「自分の言動と行動を常に一貫させたい」という行動心理のこと。
もっと噛み砕いて言えば、「言ってることとやってることを一貫させたい」という願望です。
この心理を、僕たちのビジネスにも応用しない手はありません。
ここでは、実際に筆者が体験した事例を交えつつ、「コミットメントと一貫性」について解説しています。
この記事の目次
「ビジネス」 × 「コミットメントと一貫性」
人は、自分が決めた行動を正当化する傾向があります。
つまり、コミットメントと一貫性をビジネスに応用すれば、商品の購入を渋っているお客さんでも、スムーズに「購入」へと導くことができるというわけです。
これをビジネスに応用するためには、以下の2つを実践してみましょう。
① お客さんに質問を投げかけ、自分で答えを出してもらう。
② お客さんに簡単なお願いをする。
それぞれ詳しく解説していきます。
① お客さんに質問を投げかけ、自分で答えを出してもらう
まず一つ目の応用方法について解説します。
「人は自分の決断を正当化する傾向にある」という心理を応用して、相手に質問を投げかけて小さな「Yes」を引き出していきます。
実は、人は自分に投げかけられた質問の「答え」にも、一貫性を保とうとします。
学生時代のころを思い出してみて下さい。
学校の先生にこんな質問をされたことがあるでしょう。
「進学をするのか?それとも、就職をするのか?」
おそらくあなたは、自分で考えて出した答えに対して「これは自分で選んだ道だ!」と納得させたことでしょう。
質問に対しての答えを出して自分の中で納得した瞬間から、「コミットメントと一貫性の法則」が働きます。
つまり、その答えを出した瞬間から、「自分はこの意見を持っている」という一貫性を保とうとします。
この心理をビジネスに応用すると、
「あなたが扱っている商品を購入することが自分のメリットに繋がる」と、お客さんから思ってもらえるような質問を投げかけていきましょう。
例えば、
- AとBだったらどちらが好みですか?
- 自動で売上が上がる「仕組み」を持ちたくありませんか?
- 広告の反応率が3倍になる文章術に興味ありませんか?
このような「Yes」「No」で答えられる質問をたくさん投げかけていきましょう。
ポイントは「たくさん」です。
小さい「Yes」をお客さんからもらうことで、より相手の「コミットメントと一貫性」の心理が働きます。
② お客さんに簡単なお願いをする
続いて二つ目の応用方法です。
例えば、お客さんに「簡単なアンケートに答えて下さい」「このプレゼントを受け取って下さい」などの小さいお願いをしていきます。
些細な事でも、なんでも良いです。
それが、お客さんのメリットに繋がるような申し出であれば、お客さんはあなたの小さなお願いに喜んで答えてくれることでしょう。
その瞬間から、お客さんの心の中には「この人の言うことを聞いてしまった」という心理状態が発生し、「お願いされたらそれに答える」という思考回路ができあがります。
つまり、あなたの小さなお願いに答えるという「コミットメント」、それを貫こうとする「一貫性」が働きます。
この心理状況を作り出すことができれば、お客さんはあなたのお願い事を聞いてくれやすくなります。
そして、お客さんはあなたのお願い事を聞く度に、あなたの熱烈なファンになっていきます。
大切なのは、お客さんからあなたのお願い事に答えることをコミットメントさせることです。
そうすることで、お客さんは「あなたのお願い事に答える」という関係性を保とうとします。
以上、二つ。
コミットメントと一貫性の法則を、ビジネスに応用する具体的な方法になります。
ぜひこの二つの方法を応用して、あなたの扱う商品やサービスの販売に結びつけてください。
ただし、くれぐれも悪用だけはしないでくださいね。
最後に、最近筆者が体験した「コミットメントと一貫性」の事例をご紹介します。
ちょっぴり滑稽な「コミットメントと一貫性」の事例
先日、近所のイオンにお昼ご飯を買いに行った時のこと。
惣菜コーナーへ向かい、手頃でおいしそうなものを物色していました。
すると遠くの方から、
「チリン、チリン♩(ベル音)
今からじゃんけん大会やりま〜す!」
店内に響き渡る店員の声。
「じゃんけんに勝つと、スペシャル商品が半額になりま〜す!」
何が始まるのかと興味を引かれ、声のする方へ行ってみたところ、なんと、2000円もするお寿司の盛り合わせがじゃんけんに勝つと半額になるとのこと!
(うぉーじゃんけんに勝ちてー!)←心の声
急に勝負根性が出てきて、勝つことにコミットする。
僕「あの〜、じゃんけんしたいです!」
店員「待ってましたよお兄さん、それでは、最初はグーでいきますよ」
せーの、最初はグーじゃんけん・・・
僕「っしゃぁぁ!!勝った〜!」
一人勝利の雄叫びを上げる。
店員「おめでとうございま〜す!」
かなり一人ではしゃいでいたので周りも注目し始める。
「では、こちらの「2人前」のお寿司盛り合わせ2000円を、半額の1000円にさせていただきま〜す!」
「ありがとうございます!」
周りの人も拍手をしてくれる。
今日の俺はついてるな〜と、大満足な足取りでレジへと向かう。
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いや、ちょっと待てよ!
(俺、こんなにたくさん食べられないわ…昼飯に特上寿司2人前だと?わしゃどこのボンボンや!)
と急に我に返る。
返品しに行こうかな、、、いや、でもせっかくだしな。
いやいや、そんなに食えんて!
でも、周りで見てた人にかなり祝福してもらったしな。
5分ほど一人で自問自答の応酬を繰り返す。
結局最後は、自分の行為に「一貫性」をもたせようと、そのままレジへと向かう。
「さっき、じゃんけんに勝って、この特上寿司が半額になったんですよ」と、なぜかレジの店員さんに自慢する。
「おめでとうございます。ラッキーですね!」
と、自分の行為を正当化してもらう言葉を引き出そうとする。
「お寿司ならペロッといけちゃいますもんね」
と、さらに自分の行為を正当化してもらう言葉を引き出すことに成功。
「そうだ、俺の選択は間違っていない!」
ひとり自分の一貫性ある行動に満足する。
いかがでしょうか。
この一連の僕の行動を客観的に見ると、かなり滑稽ですよね。苦笑
これぞまさに、コミットメントと一貫性の法則。
今回の場合で言えば、じゃんけんに勝ちたいという人間に備わる闘争本能を刺激する。
勝てば商品が半額になる、という見返りが手に入る。
断れないように、あえてお客さんの目立つ場所で行う。
完璧過ぎて、見事としか言いようがない。笑
やられたなぁと思うより、すばらしいの一言。
お寿司を食べながら心の中で拍手喝采していましたよ。
イオン側からすれば、スーパーに置いてあるお寿司は新鮮でおいしいんですよ、とお客さんに知ってもらえる。
店側は商品を半額(赤字)にしたとしても、お寿司を食べたお客さんがリピーターになれば、その損もすぐに回収できる。
こうした「他業種のマーケティングアイデアを自分のビジネスにも取り込めないだろうか?」と、
新しいビジネスアイデアを探すときはそんな視点で世の中の出来事を俯瞰して眺めてみるのアリですね。
意外とこうしたアイデアが自分のビジネスでも使えたりするので、ぜひ参考にしてください。
まとめ
ビジネスに「コメットメントと一貫性の法則」を応用して、どんどん商品を販売していこう。
追伸
「コミットメントと一貫性の法則」以外にも、人間心理を応用したビジネス活用法がたくさんあります。
さらに詳しく学びたい人は、この本がとてもオススメです^^
※人間心理を扱うことなので、実践する際はくれぐれも取り扱いにはご注意を!
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