「返報性の法則」という言葉。
あなたも一度は聞いたことがあると思います。
返報性の法則とは、人から何かしらの施しを受けたとき、
「お返しをしなくては申し訳ない」という気持ちになる心理作用のことです。
この心理作用をあなたのビジネスに活用しない手はありません。
実際、ビジネスの現場において返報性の法則は、
いたるところで応用されています。
もちろんその理由は、
それなりに一定の成果に結び付くからです。
この記事では、返報性の法則をビジネスにうまく活用する方法について、具体例を交えながら解説していきます。
返報性の法則の身近な例
返報性の法則の根本心理は、
人間が生まれながらに持っている「義理」や「人情」のようなものです。
相手から一方的に、何かありがたい行為をしてもらって恩を返さないのは、
人の道に反していると考え、何かお返しをしなければと思うのが人の心情というものでしょう。
返報性の法則の一種に、
「好意の返報性」と呼ばれるものがあります。
好意の返報性とは、人から好意ある施しを受けたり、
親切にしてもらったときに、それ以上の好意や親切をお返ししたいと思う心理のことです。
身近な例で言えば、バレンタインがまさにそうです。
バレンタインデーに義理チョコをあげるのは、
「いつもお世話になっているから」という気持ちからです。
チョコレートをもらった人はホワイトデーに、
「チョコレートをもらったからお返しをする」という心理が自然に働きますよね。
他にも、お中元をもらったからお返しに何かを送ったり、
年賀状をもらったから返さなければいけないと思うのも、返報性の法則が働いているからです。
このように返報性の法則は、日常生活の中でも頻繁に働いています。
返報性の法則のビジネス活用例
もちろん、日常生活だけではありません。
ビジネスの現場でも利用されています。
返報性の法則をうまく利用している企業の一つに、
再春館製薬所という会社があります。
ドモホルンリンクルという化粧品を販売している会社で有名ですよね。
ちなみに、この再春館製薬所という会社は、
漢方の知識を化粧品へと持ち込んで、
人間本来に備わる自然の力を引き出すことをコンセプトにしています。
この点で、他の化粧品会社との差別化ができていますが、
やはりこの会社で一番注目すべき点は、その販売方法でしょう。
「無料サンプルお試し」
もしかしたら、あなたもサンプル請求をしたことがあるかもしれません。
無料だからお客さんはリスク0。
請求を断る理由など一つもありませんよね。
むしろ、断ることの方が難しい。。汗
化粧品なら街中のドラッグストアでも買えます。
しかし、お客さん側からすれば、
「薬局にたくさん並ぶ化粧品の中で、どれが自分に合うのかわからない・・・」
と思うのが普通です。
そんな不安と悩みを解消するために、
まずは無料サンプルを試してもらって、商品の良さを実感してもらう。
ドモホルンリンクルは、「無料お試し」という返報性の法則をうまく使って売上を伸ばしています。
それ以外にも、
デパートのお土産コーナーやスーパーの惣菜コーナーで行われる「試食」は有名ですよね。
親切な店員さんから試食を勧められれば、
「買わないと申しわけない」という心理が働きます。
また、保険の勧誘の場面で腰の低い営業マンに一生懸命保険の説明をされたら、
「契約を断るのがなんだか悪い気がする」と心を動かされますよね。
これらも返報性の法則を使った、販売テクニックの一つです。
返報性の法則の注意点
しかし反対に、返報性の法則を使う際に注意すべき点があります。
いき過ぎると倫理的に問題が生じることがあります。
「プレゼントをあげたんだから、倍で返せ!」という露骨な態度をとるのは、完全に脅迫行為です。
あたりまえの事ですが、
ポイントは最初から見返りを求めないということです。
わかりやすい例は、恋愛です。
片思いの相手に、
「キミのこと好きだから、僕のことも好きになって」なんて、
間違っても言いませんよね。苦笑
スーパーの試食で、
「無料で食べさせてあげるから買ってくださいね。」と言ってしまうと、
試食する人はほとんどいないでしょう。
下心丸出しのお願いでは、
「お返しをしてあげたい」という感情を喚起させることはできません。
返報性の法則は、ビジネスの現場で応用するのはとても有効ですが、最低限の節度を持つことは必要です。
一歩間違えば、詐欺や脅迫の行為として捉えられてしまうので、使い方には十分ご注意くださいね。
まとめ
返報性の法則を応用して、ビジネスを促進させよう。
追伸
「返報性の法則」以外にも、人間心理を応用したビジネス活用法がたくさんあります。
さらに詳しく学びたい人は、この本がオススメ。
人間心理を扱うことなので、実践する際はくれぐれも取り扱いにはご注意を!
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